白内障の日帰り手術
白内障は、水晶体が白く濁ってしまう疾患です。発症すると視力低下を起こしてしまいますが、白濁した水晶体を手術で取り除き、代わりに眼内レンズを入れる手術を受けることによって、視力を改善させることができます。日本では毎年 150 万件以上、眼内レンズを入れる手術が実施されており、心身ともに負担のかからない方法が生み出されています。眼内レンズは一生使い続けることが可能ですので、定期的なケアとメンテナンス、交換をする必要はありません。当院では、日本眼科学会認定専門医である院長が、執刀を行います。納得いただける治療を提供できるよう、丁寧にお話をお伺いしていきますのでお気軽にご相談ください。
白内障手術の流れ
検査・診察
検査で、白内障の重症度と他疾患があるかどうかを確認します。日常生活への影響がないかもお聞きしながら、手術が必要かどうかを検討していきます。手術が必要な方には、手術日の予約を行っていただきます。治療への疑問を抱きながら手術を受けていただくことがないよう、しっかり丁寧に、分かりやすく説明して参ります。
術前検査
手術日が決まりましたら、術前検査を受けていただきます。術前検査では、血液検査や眼軸長測定、角膜内皮細胞検査、角膜形状解析などが実施されます。
また、手術の詳細や眼内レンズのピントについて、術後の過ごし方、術後検診の詳細などについても、お伝えしていきます。
術前最終診察
手術日の約1週間前には最終診察を行います。最終診察では、白内障の硬度や散瞳(さんどう)・眼底の状態に変化がないかを確認していきます。手術当日の来院時間も、このタイミングで決定します。
また、術前検査時に説明した内容について、不明点がないかもお聞きします。分からないことがありましたら、どんなことでも遠慮せずご質問ください。
診察後には術前に必要な点眼薬を処方しますので、手術日の3日前から点眼してください。
手術
まずは点眼麻酔を行います。手術中に痛みを感じることはほとんどありませんので、ご安心ください。
角膜輪部を 2~3mm ほど切開して、水晶体を覆っている水晶体嚢(すいしょうたいのう)を切り取ります。水晶体嚢の中に専用の器具を入れてから水晶体を超音波で破砕し、小さい欠片にしてから吸い取っていきます。吸い取った後に眼内レンズを入れていきます。手
術にかかる時間は 15 分ほどです。難症例ではそれ以上かかる場合があります。
術後検診
手術翌日の検診を受けていただきます。術後から1週間の間、洗顔は拭くだけに済ませておきましょう。洗髪は美容院などで行ってください。翌日から首下をシャワーで洗ったり、術後4日目から入浴したりすることは可能です。ただし汗が目に入ってしまう恐れがあるため、長時間の入浴は避けてください。自宅での洗髪は6日目から可能です。手術当日の飲酒も控えましょう。
眼内レンズについて
水晶体の代わりに入れる人工の眼内レンズです。見え方は眼内レンズの種類によって異なり、その種類もたくさんあります。
体験してから挿入することはできませんので、当院では各レンズの見え方や費用、強み・弱みなどについて、患者様が完全に納得いただけるまで分かりやすく説明していきます。患者様に合ったレンズが選択できるようサポートして参りますので、お気軽にご質問ください。
単焦点眼内レンズ(保険適用)
白内障手術で一番多く使用されているレンズです。近距離と遠距離のどちらか一つにピントを合わせることができます。近距離にピントが合うレンズを選んだ場合、遠距離を見る時はメガネをかける必要があり、遠距離にピントが合うレンズを選んだ場合は、近距離を見る時に老眼鏡をかける必要があります。当院では患者様の生活形態に応じて、適切なレンズをご提案させていただきます。なお、単焦点眼内レンズを使った白内障手術は、健康保険適用の扱いとなります。
多焦点眼内レンズ(選定療養)
近距離と遠距離どちらにもピントが合うレンズです。「手術した後にメガネをかける必要がない」「かけることはあっても頻度が減る」などのメリットがあります。しかし、単焦点眼内レンズよりもコントラストが低くなるといったデメリットもあります。要するに
「近くも遠くも見えるが、はっきりとは見えない状態」になることがあります。
特に、はっきり見えるようにしたい方にとっては、多焦点眼内レンズが向いていない可能性があります。ご自身の希望に合うように、しっかり吟味してから決めていきましょう。当院では、患者様の生活形態に応じて定説なレンズをご提案させていただきます。ご不明点等ございましたら、お気軽にご相談ください。
ハロー・グレア現象
多焦点眼内レンズを入れた場合、光がにじんで広がる「ハロー」や眩しく感じる「グレア」という現象が起こりやすくなります。時間の経過とともに慣れてくる方もいますが、なかなか慣れなくてお困りになる方も少なくありません。繊細な性格の方、完璧な見え方を求めている方、夜間にドライブをする機会が多い方などは、慎重に検討して決めることをお勧めします。